驚愕の現場 浴室

ハウスクリーニングの現場を甘く見ている人向けに連載で驚愕の現場を紹介します。

 

ハウスクリーニングの現場の汚れ具合は、様々です。

 

第1回目は、浴室です。
浴室には、カビ、石鹸カス、水垢など多くの汚れが存在します。

 

通常、酷い汚れでもプラス1時間程度で作業は完了します。
でも、ときには全く手が付けられない現場も存在します。

 

そんな手が付けられない現場に出合うのもハウスクリーニングの現実です。
そんな現場に出くわして、驚き、しり込みして逃げ帰るかどうかは現場に遭遇した人次第です。

 

転居後の原状回復は大家さんに責任がある?

ある時、転居するので、お風呂を掃除して欲しいという電話をいただきました。

 

その家は、賃貸マンションの1室です。
ファミリーでお住いの様です。

 

浴室を見せていただきました。
「オーこれは酷い」声には出しませんでしたが、非常に驚きました。
お客様曰く「マンションを出ていくと言ったら、大家さんが怒り出した」「転居後のハウスクリーニングは、大家さんの責任でしょ」
確かに転居後のハウスクリーニングは、大家さん側の責任です。
でも、通常のお手入れをしている場合です。
賃借人側に責任がある破損や部屋の状態は、賃借人側にも責任があります。

 

現状回復できない浴室

 

このお客様は、このマンションに20年ほど住んでいたとのことです。
20年も住んでいたら、全面改装になるのが通常です。
とは言え、リフォームしなくて済む分はそのまま使いたいと思うのが大家さん側の立場です。

 

でも、でも、このお風呂は・・・・・・・。
全く使い物になりません。
浴槽だけでなく、壁・天井・床にわたって浴室全てを取り換えなければならない状態でした。
大家さんが怒り出すのももっともです。
賃貸の部屋はあくまでも借りものです。
それなりに手入れをして維持する責任が、入居者には義務がありますから。

 

残念ながらその時の画像は撮影できていません。
余りの酷さにうろたえてしまいました。合わせて空き部屋ではなくまだ在宅のため写真を撮るのが失礼に当たるという考えもありました。
添付している画像が他の現場の画像です。
この画像の浴室は、清掃後きれいになりました。

 

でも、遭遇したその浴室は、壁はもっと酷くカビで全面的に真っ黒でした。
天井もまさかと言うぐらい、真っ黒で床も足を踏み入れるのも躊躇うぐらいでした。
この家族は、お風呂を使っていたのでしょうか?
それとも、諦めて銭湯にでも行っていたのでしょうか?

 

「大家さんがあんまり怒るから、もう少し見栄えのするようにしてくれ」と言われました。
おそらくリフォーム業者も現状では嫌がって手を付けないような状況です。

 

結局、浴槽・床は手を付けず壁と天井のカビをも少しマシにするということで了解を得て、作業に取り掛かりました。

 

まずは、防護です。
カビ取り剤を大量に使うので、有機溶剤用の防護マスクと完全密封型のゴーグルを身にまとい、頭にはタオルを巻いています。

 

カビ取り剤に次亜塩素酸ソーダ12%の原液を混ぜてカビ取り剤を調合しました。
調合したカビ取り剤を窓清掃用の「シャンパー」を使って、壁・天井などに全面的に塗っていきます。
通常は、1回塗ると変化が見えるのですが、ここの場合は2回塗りました。
カビの酷いところは、更に塗布します。

 

通常はこれで殆どのカビは除去できます。
通常それでも残るカビは、パッキン類に深く入り込んだカビです。

 

でも、この浴室のカビは落ち切りませんでした。
通常、壁や天井に付いたカビは、表面に付託しているだけが多くカビ取り剤を塗布すると、除去できます。
このお風呂のカビは壁ボードの中にまで、深く根を張っているようです。
真っ黒な壁は、全体的には鼠色になりましたが、カビが全体的に確認できます。

 

実際的にこれ以上は除去できません。
24時間ぐらい時間をかけたらもう少しましになるかもしれませんが、完全回復はまず無理です。
この浴室は全体を取り換える完全リフォームするしか、次のお客様には部屋を貸せません。

 

リフォーム業者が解体作業を引き受けてくれる程度までには回復できたのではないでしょうか。

 

お客様に見てもらい、そのお宅を失礼しました。

 

このような現場は、めったに遭遇しませんが逃げたくなるような現場も存在するということを覚えておいてください。
逆に言えば、このような現場でも対応する覚悟と技術を持つことが「プロ」です。